だから、
この人は大丈夫


なんだか自分にOKサインが出たようで、


それからは絵の事で話したり他の話題でもたくさん喋るようになって


今では、普通に電話したりするぐらいになった。


世間で言えば


<友達以上恋人未満>


だろうか。




「また美麗はこういう話には加わらないな(笑)」


「だって興味無いし。

どうせ軽い男だと思うよ?
私そういう人嫌いだもん」


「んじゃあ俺の事はどう思ってんの?」


「ー…え?」


「美麗は前から男なんか興味無くて、
俺ぐらいしか話さないだろ?
なんで俺ならいいの?」


「それはー…」




言葉に詰まった時、

丁度先生が入って来た。


「ほらー、席つきなさーい」



その声に、少し溜め息を漏らして席に戻っていった。



寂しそうな健人の顔を初めて見て、


なんだか知らない人のような気がして


怖くなった。



どうして私は何も言えなかったのだろう。

友達以上だよ

って、何で言えなかったのだろうか。



何だか健人が離れて行くような気がして、


私は少しの間、
先生の話も聞けず
固まっていた。






「今日は転校生が来ています」


先生の言葉にざわめくクラス。


その様子に
はっ となった私。


さり気なく健人を見ると、


いつものように友達と笑いあっていた。



少しほっとしていると

ふいに目があった。