曖昧に返事をして、


会話をしていると

学校についた。


横を見ると、手鏡で念入りにメイクをチェックするえれなの姿






私の視線に気づいたのか、



「なに?」


「いや別に。
凄いなと思って(笑)」


「美麗が化粧薄すぎなんだよ~

でもそんなんで通用する顔が羨ましいわぁ」






確かに私はほぼスッピン。



でも私の顔が羨ましいなんて…


私にとっては、えれなが羨ましいのに…






「さぁ!
早く行こうよ!
私の大好きなイケメン君が待ってるわ~」




「ちょっと待ってよ!
えれなぁ~~」







クラスに入ると、転校生の話題で持ちきり。




その中で私はポツンと座っていた。





するとー…



「よぉ!美麗!

またぼーっとしてるな」


「してません!」




男子の中で唯一話せる相手が



谷岡 健人(タニオカ ケント)。
中学の時、一緒の美術部で、

1番初めに私の絵を
真剣に見つめた後、笑顔で



「君みたいに、
華やかで綺麗な絵だね」

って眩しい笑顔で誉めてくれた人。





いつも、皮肉っぽい感じに誉められていただけの私の絵を

誉めてくれた。