別れる!?
何だよ!?何で言わないだけで!!
てか、別れるなんて絶対嫌だし……!
すっかり楓のペースに飲まれてしまったおれは、楓の腕を掴む。
「嫌だ!別れるのはマジ勘弁!」
そう言うと楓は冷たい目で言った。
「じゃぁ教えてよ」
……っ。
いざとなると照れるもんだな。
おれはゴクリと生唾を飲んで拳を握った。
そして楓から視線を逸らしてゆっくりと口を開いた。
「おれは……お前を捕まえておくので必死なんだよ」
楓は綺麗だ。
飾らない美しさっていうか……。まぁそんなもんを持ってるからモテる。
そんな美人な彼女だから、他に言い寄る男がいて、おれは不安なんだよ。
「おれ……馬鹿だし。単純だし。短気でいいとこないし。そんなおれを楓が選んでくれたって事。奇跡だと思ってるし。だから……離したくねぇんだよ!!」
照れるけどそれが本音で、おれは視線を逸らしたまま楓にぶつけた。
「おれよりいい男なんていっぱいいるし。いつか……楓が離れちまうんじゃないかって……」
ずっと不安だった。