「お前……早く結婚してぇのか!?」




「は!?」




おれは真剣な表情で楓の顔を見つめた。




だって……。おれいっぱい考えてみたけど、結局それにしか辿り着かなかった。




すると楓は、目を輝かせているおれを見るなり呆れた顔をして大袈裟なほどの大きな溜め息をした。




「何だよ!?おれは真剣なんだぞ!?」




おれは楓を睨みながら言うと、楓は冷めた目で見つめた。
う……。そんな冷たい目で見んなよ。おれ、かなり勇気出して聞いてみたんだぞ?
なのにその返事がこの冷たい視線ってどうよ?




「っとに、馬鹿だね」




笑いながらそう言っておれを睨む楓。
今日だけで何回睨まれただろう……。
おれってそんなに変な事言ってんのかな。




そう思いながら首を傾げると、楓は小さく呟いた。




「あたし達。まだ自分で稼げてもないんだよ?結婚なんてまだ無理じゃん」




う……。確かにそうだ。
おれ達は専門学生だ。お互いまだ就職も決まってないのに、将来の事とか考えたら……。




おれ……。先の事考えなさ過ぎなのかな。