え、ええ!?
見つからないようにとか、見つかったらどうしようとかアタフタしていると、楓はクスッと笑った。
その声が聞こえてきて、再び楓を見ると、楓は口パクで言った。
……あたし達もいつか、ね?
ってええ!?
おれは顔に熱が集中するのが分かった。
すると楓は繋いでる手をギュッとした。
楓のせいだ。楓のせいでおれは、耀達の結婚式のほとんどを上の空で過ごしてしまった。
結婚式を無事終えて……。
おれ達は2人並んで夕日でオレンジ色に染まった道を歩いた。
ギュッと握られて手とさっきの口パクとか爆弾発言とか。
それのせいでおれの心臓はバクバク。
楓は一体何を考えてるんだ?
おれ……全然分からねぇ……。
そう思っていると、楓はおれの前に立ち塞がった。
「へ!?」
突然隣にいた筈の楓がおれの目の前に現れて、すっとんきょうな声を出してしまった。