「あのさ……何か勘違いしてる感じだけどさ」
「はぁ!?」
輝の言葉にいちいち大声で聞いていると、輝は不機嫌そうに眉間に皺を寄せた。
「待ってるってだけだと思うんだけど」
「へ?」
聞き返すと輝は溜め息をつく。
「だからぁ……。待ってるだけで今って意味じゃないと思うよ」
面倒臭そうに輝はそう言い放った。
そうなのか?
そうなんか?
そう言われておれは少し落ち着いた。
その後おれ達は芽衣と耀の結婚式を見守った。
芽衣も耀もさっきまでと全然違う雰囲気で、おれは少し緊張した。
おれも……。ああやって、指輪の交換をして。誓いのキスして……。
その相手は……か……!!
何気なく隣にいる楓を見ると、楓はおれを見つめていた。
え……!
驚いていると、楓はおれの手をギュッと握った。