そう言って優雅はあたしに視線を戻す。
そしてニッと笑うと、あたしの顎をクイッと持ち上げてキスする。
「ん……」
角度を変えて吸い付くような甘いキス。
深いキスにあたしは思わず声が漏れる。
……旭に聞こえちゃうよ。
そう思って旭を見てみるけど、しっかり耳を塞いでるみたいで聞こえていないらしい。
そうは言っても不安で仕方ない。
そしてようやく唇が離れると、あたしを見下ろしてフッと笑った。
……っ。
その笑顔に真っ赤になっていると、優雅はあたしから離れて旭に大声で言った。
「もういいぞー!」
そう言うと旭は目を開ける。
そして頬を膨らませた。
「ぱぱ。なんかしたのー?」
そう問い詰めるけど、優雅は何も言わずに口笛を吹き始める。
そんな余裕な優雅とは裏腹に……。
「まま。かおあかいよ?」
痛い所をついてくる旭。
あたしは必死で赤い顔を隠しながら優雅を睨んだ。