優雅は何が言いたいんだろう……。
泣きながらそう思った。
すると旭は大きく頷いた。




「わかった!」




そう言って目を閉じて、両手で耳を塞ぐ。
するとそれを確認した優雅は、あたしの方を見てニッと笑った。




「ちょっと……何?」




涙目でいつもと違う優雅に後ずさりすると、優雅はグイッとあたしを引き寄せた。
近距離に優雅の顔があって、あたしは思わず顔を赤くする。




「誕生日おめでと……ずっとお前だけが好きだから」




そう耳元で囁く。




「へ?」




今までそんな台詞聞いた事なかったからびっくりしていると、優雅はあたしの後頭部を引き寄せて唇を見つめる。




え……キス!?
旭いるのに!?




そう思いながら抵抗もできず目を閉じようとした時。




「ぱぱー?まだぁ?」




目を閉じて耳を塞いでいる旭が声を出す。
すると1センチくらいで唇同士が触れる距離で優雅は横目で旭を見て答える。




「もうちょっと待ってろ?」