そう言うと、優雅は焦ったようにあたしに向き合う。




「お前……何泣いてんだよ」




そう言って優しく微笑んで、あたしの涙を拭ってくれる優雅。
そんな優しい優雅にあたしはしがみ付く。




「だって……びっくりしたから」




泣いているあたしを見上げて旭は心配そうに言う。




「まま?どこかいたいの?」




そう聞いてくる旭にあたしは首をブンブン振る。
すると話す事もできないあたしの変わりに優雅は笑った。




「ママは嬉しくて泣いてるんだぞ?」




優雅は笑いながら旭の頭を撫でた。
その間もあたしは涙が止まらない。
すると呆れたように優雅はあたしを見下ろした。
そして、ニッと笑うと旭の視線に合わせてしゃがみ込む。




「旭。お前はいい子だよな?」




「うん!」




目を輝かせて、胸を張って頷く旭。
すると優雅はそんな旭に笑って言った。




「じゃぁ。いい子なら、パパがいいよって言うまで目瞑ってられるか?」