中から出て来たのは、カエデのネックレスと4つ折にされた白い紙。




「これ……」




びっくりして、言葉が出てこない。
口をパクパクしながら2人を見つめると、優雅が照れくさそうにあたしを見下ろした。




「そのネックレスはおれから。で、その紙は……」




そう言われて4つ折の紙をゆっくりと開く。




「……っ」




その紙には。




“だいすきなままへ
おたんじょうびおめでとう
これからもきれいなままでいてね
ままのことすきなきもちは
ぱぱにまけないよ”




そう上手とは言えない不恰好な字と、決してうまいとは言えないあたしと優雅と旭の似顔絵。
それを見ただけで、頑張って描いてくれた気持ちが嬉しくて。
すごくすごく嬉しくて、目頭が熱くなる。
するとあたしの持つ旭からの手紙を盗み見した優雅は不機嫌そうに旭を見下ろした。




「旭ー。お前、おれが1番ママの事好きに決まってんだろ」




「えー?ぱぱよりぼくのがすきだもん!」




そう言い合いする2人が段々ぼやけていく。
嬉しいよ……。
あたしは涙を拭いながら2人に言った。




「……旭。優雅。ありがと……」