というより、頼んだ時より散らかっている。




「ちょっと……」




あたしは眉間の皺を深くして低い声で優雅に言う。




「げ!」




あたしの声を聞くなり、そんな失礼な声を出して飛び上がる優雅。
まったく、こいつは……。
未だに成長ってものをしてないのかしら。
こんな奴にも、3歳の子供がいるっていうのが、正直信じがたい。




「掃除……しといてって、言っておいたよね?」




腰に手を置いて優雅を睨みつけるあたし。
その時あたしは、優雅の些細な動きに目を留める。
……ん?
さっき……何か後ろに隠したよね?
それに気付いたあたしは、低い声で優雅に聞く。




「今、何か隠したでしょ」




「え!?隠してねぇよ!!」




バレバレ。
こいつはホントに単細胞生物だ。




そう呆れながら睨んでいると、あたしの足元に旭が近づいてくる。
そしてあたしの足に腕を絡めるなり、優雅に言う。




「ぱぱ!」