*   *   *





学校に着いた俺は、雄太に会って、二人で話しながら教室まで向かっていた。




「なあ、お前全員と別れたってほんと?」






「切っただけだって。俺彼女なんか作んねーもん。女って面倒くさいし」




俺は本当に全員と切った。



一昨日位にコピー文で一斉送信。


大体の奴は“じゃあ他の人見つけるよ”的なメールが帰ってきたけど、中には由美みたいに“なんで?別れるなんて嫌”みたいな奴もいた。



「へぇー、珍しいな。何かあった?」



「別に、特にないけど」



そりゃ、好きな女できたからな。
俺ってめっちゃ軽いし、可愛いなら誰とでもそう言う事出来る。


でも、好きになったら結構本気になってしまう。



他の奴みたいに簡単に手出せなくなったりさ。




・・・・・・ダサいな、俺。





それにしても、昨日の喧嘩の件についてビックリした。


まさかあの椿があそこまでするとは思わなかった。




今まで売られた喧嘩は全部無視してたし、平和主義だから争いごとが大嫌いだったから、驚いた。



その原因作ったのは、紛れも無く俺なんだけどさ・・・・・・。




椿に悪いことしたよなあ・・・。
後でもう一回謝ろう。


昨日は気にしてない感じだったけど、アイツは感情を表に出さないから掴みにくい。




雄太は二組で、俺が六組だから、途中で分かれて各教室に行った。




廊下で擦れ違う友達に挨拶しながら、六組の教室の前までると――――――、