走って屋上に向かってる途中で、涙が目から溢れた。



悔しい・・・!
あそこで、何も言い返せなかった自分に腹が立つ。





いつだってあたしは周りから浮いて、変な噂しかされなくて、損ばかりするんだ。





屋上に行くと、隅に寄って座り込んで泣きじゃくった。




あたしだって今まで、皆と打ち解けられるように、明るく話し掛けたり、出来るだけクラス会の盛り上げ役やったりしたよ。


でも、いくらそうしてみても、誰もあたしを理解なんてしてくれない。





心や佳保が分かってくれるならそれでいい。


なんて、甘い考えだけじゃ不安なの。





いくら強がってみても、実際は脆くて泣き虫のあたしが隠れてる。



もう無理。
あたしの意地だけじゃ絶えられないよ。



HRの本鈴が鳴ってもあたしはそこにいた。
アスファルトは涙で黒い染みをいくつも作っている。



フェンスに寄り掛かってぼーっとしていると、屋上の扉が開く、ギィッ・・・という音がして、顔だけ振り返った。




「あ、いたいた。春野ちゃん♪こんな所で泣いてんの?」




派手な男子生徒が3人。



金色や茶色の髪の毛に、着崩した制服、耳にはたくさんのピアス。




何処からどう見ても不良だ。
多分、二年か三年の先輩。



見覚えのないあたしは、動くこともなく、その人たちから目を離せないでいた。