「ふわふわ~。やっぱり綿菓子好き~」
心は買った綿菓子を頬張りながら幸せそうに笑う。
可愛い・・・!
いつもクールな表情からは違った、可愛らしい心。
いろんな魅力があって羨ましいなぁ。
「うんっ綿菓子おいしー」
二人でブラブラしながら石段まで歩いた。
隅のほうに腰掛ける。
いつもココで座って、こうやって綿菓子食べてたんだよ・・・。
渚が真ん中で、左があたし、右が心。
三人でくっ付いて笑っていた。
空と雄太は“俺らも混ぜろよ~”とか言って、間に割り込んできたり。
「今年はなんか寂しいね」
ぽつりと呟く心。
「うん・・・なんか物足りないよね」
それは・・・渚がいないから。
皆と一緒じゃないから。
高校生になっただけなのに、去年とはまるで違う。
皆がそれぞれの想いを抱いて、皆が違う感情を持っている。
あたしは、それに気付くのが遅かった。
なんでだろう・・・
なんで、あたしなんだろう。
この関係だけは、繋ぎ止めておきたかったよ。