心の視線を痛いくらい感じた。



あたしって馬鹿なくせに、結論より感情が先立っちゃって何も考えないで行動してしまう。

これが、あたしの悪いところ。


後悔先に立たず。
まさにこれ。


「やったぁ!ずっと行ってみたかったんだ♪」



「え、行ったことなかったの?」



「あるけど、好きな人と一緒に行きたかったの」



佳保の屈託のない笑顔を見ると、胸が痛くなる。
渚はあたしのどこを好きになったの?
佳保の方がずっと可愛いじゃん。

どうせなら、両思いになれる佳保を好きになってよ・・・・・・。



親友の好きな人は、あたしを好きで。


でもあたしと親友は完璧で・・・。



お願い、佳保を好きになって・・・・・・。






・・・・・・。



「じゃぁ、今日の6時集合だかんねっ」



佳保と心と別れて、あたしは帰宅した。


はっきり言って行きたくない。
でも、いい格好して、行こうって言っちゃったからなぁ。
流石あたし、馬鹿だ。



ただいまも言わずに家に入り、
自分の部屋に入った。

クローゼットの中から一番先に目に付いたワンピースを取って、あたしは風呂場へ行く。



10分くらいでシャワーを済ませて、
髪の毛を乾かして、化粧を施す。


思わず昔使っていた化粧品と間違えそうになった。
危ない危ない。
これじゃあ、またギャルになっちゃう。


髪の毛、切らなきゃ良かったかも・・・・・・。
今更ながら思う。
ショートじゃ、アレンジの仕様がない。
ただでさえ童顔なのに、髪巻けなかったら、大人っぽくなれないよ。


前は長い髪を巻いて、ギャルメイクで誤魔化してたんだよなぁ。


化けの皮が剥がれたみたい。




納得いかないまま、10センチはあるピンヒールを履いて、家を出た。