ふぅっと大きな溜め息を吐き、振り返ると、一人の男の子がいた。


別に気に留めることもなく、その子の横を通り過ぎようと
した時、


―――――――え?



あたしの携帯が手に握られていた。



は?え・・・なんで?
あれってあたしのだよね。
親友の心にもらったストラップ付いてるし・・・。



「・・・あの~、その携帯・・・」


気が小さいあたしは知らない人に
話しかけるのが大の苦手だ。


「あぁ、これ君の?階段の所に落ちてたよ」


親切そうなその人は、にこっと微笑む。
拾ってくれたのが、こんな人で良かった~・・・。


「そうなんですか!ありがとうございますっ」


ちょっとだけお辞儀をして、携帯を受け取った。