内心そう思ったけど、
一応は褒めてくれてるからへらっと笑った。
でも、化粧で隠してたから
若干素顔を見せるのに抵抗があるんだよね・・・。
「あっ、てか、昨日お前なんかあったん?」
思いがけない空の質問に、あたしは
一気に顔が引き攣った。
え・・・?
空、なんか知ってたりするの?
「え?・・・何が?」
不安と焦りで手が小さく震えている。
ヤバイ・・・・・・
もしかして、バレてる?
「だから、電話掛けたのに途中で
いきなり変な音して切れたじゃん」
それを聞いて、あたしは拍子が抜けた。
なんだ・・・そのことか。
安心して胸を撫で下ろす。
「あれね!実はさ~、家に帰ってる途中で
コンクリートに落としちゃったんだ!
馬鹿だね、あたし」
ケラケラと笑って、嘘で本当にあったみたいに
誤魔化した。
「え!マジで?馬鹿じゃん!
じゃあ今携帯ねーの?」
「うん、まあそういうことだよね」
空たちは口を揃えて“不便じゃん”と言った。