「アンタ馬鹿!?空にキスしないの?なんて聞いてどーすんのよ?するわけないでしょ!」





「え?そ、そーだよね?」





「彼女にあんな事言われたら、空でも傷つくに決まってんでしょ!?」






「は、はい。すみません」



あたしも空と一緒じゃん、コレじゃあ。




「分かった?椿はそこら辺が鈍いんだから!」




だって、恋愛って言う物が最近よく分からないんだもん。





「そ、そら~!今日コレ終わったら時間ある?」


両手を合わせてにっこり微笑む。

さっき心にご機嫌とってこいとの、ご命令がありまして・・・。




「え、うん。あるけど・・・」




「じゃあね、今日」




「デート!!?」




あたしが言う前に、空が嬉しそうに笑って遮った。




「うん。何処に行くとか考えてないけど・・・」





「それならー、俺ん家でよくね!?」




まるで子犬が尻尾を振って喜んでいるみたいな空。
・・・可愛いなぁ・・・ある意味嫉妬しそう。



結局空の家になった。



空は早く練習を終わらせたいのか、一通り物語を通す時も、いつもより張り切っていた。
そのおかげで一時間くらい早く切り上げられた。



なんだか、単純すぎて本当に可愛いんですけど。



二人で自転車を二人乗りして、空の家に向かう。