コンビニの前に自転車を停めて、中に入ると、クーラーがよく効いていて、身震いした。



学校帰りの生徒や、ジャージを着たヤンキーがこの時間帯を占める。



あたしもその中に紛れて雑誌の立ち読みや、アイスを
眺めたりする。





でもヤンキー率の高い雰囲気が重くて、あたしは結局何も買わずに出た。




自転車に跨り、ゆっくり、のろのろと漕いで、いつもの道を通る。



何も変わらない。




いつものように公園で遊ぶ小さい子。
ゴミを漁るカラス。
スーパーの袋を提げているおばさん。




全てが違う景色に見えるのは、あたしだけ?






ちょっと間自転車を走らせていると、向かい側から、見覚えのある陰が見えて、あたしは慌てて自転車ごとUターンさせた。




・・・・・・・・・・渚じゃん・・・。





友達と一緒に歩いている渚だった。





向こうはあたしに気付いてないみたいだったから、良かった。


話に夢中になってる様子だったから、あたしには絶対に気付いてないな。





てゆーか、あたしあの道からしか帰れないのに、何してんだろう・・・。





行き先もないあたしは、当てもなくブラブラと漕いだ。






あたしは・・・いつになったら渚から解放されるのかな。

いつだって渚に怯えてる。



・・・・・・きっと解放される日なんてないんだろうけど。