――――とうとう、言ってしまった。
もう後には戻れない。
この絆はどうなるのか。
壊れるのか、持続できるのか。
それは分からない。
後悔なんてない。
これで壊れるなら、それは仕方ないことだから。
人の気持ちのあり方はそれぞれだから、その事を、空がどう受け取っても文句言ったり、嫌悪する資格なんてないんだ。
あたしは顔を沈めたまま、空の返事を待つ。
今、空はどんな顔してる?
汚いって思った?
あたしは空になんて言われるのかドキドキした。
こんな時に、早く返事をくれないと心臓がもたなくなる。
「・・・・・誰にだよ」
空の声は微かに震えていて、低かった。
「知らない人だったから・・・」
そう言ってから、やっと顔を上げることが出来た。
でも空の顔は見れない。
だから視線を下に落とす。
「いつ」
「空が来る前」
ねぇ、そんな事どうだっていいんだよ・・・。
空はどう思ったの?
それを早く聞かせて・・・・・・。
自分でもどうして空に言ったのか分からない。
でも何故か空に聞いて欲しかった。
・・・・・・ただ、慰めの言葉が欲しかっただけなのかもね・・・。
「・・・んだよ、それ」
「あはは。だよね・・・・・・なんだろうね」
もう感覚可笑しいってば。
こんな時に笑えるなんて、あたしどうかしてる。
この際、グレてやろうか・・・。
今ならどんなに悪いことでも出来るような気さえする。
「笑うなって!!!」
空がいきなり大きな声で怒鳴るから、ビックリして体が跳ねた。
「何が可笑しいんだよ!?そうやって強がんじゃねーよ!!」