「聞いてやるから。来い。」

そう言って翔太はあたしの腕を掴んだ。

「ちょっと!離してよ!」

気持ちとは逆の事を言ってしまう。
本当は離さないで。近くにいてほしい。

このまま時間が止まっちゃえばいいのに…。

「まみ。」

気がつくと屋上についていた。

「……何?」

翔太はため息をつくと握っていた手を離してしまった。

「だから何で泣いてたの?って聞いてんの。」

そんなこと言えるわけないじゃん。