それからも、演技は続いた。

ひそかに憧れだった、男の人の名前の呼び捨てとか、目を合わせて話すとか、多分非モテ系女子ならではの妄想をフルに発揮して。

ぎこちなくも、なんとか恋人として見えるよう振る舞って、及第点くらいはもらえたかな。



コタローさんは何も言わずに今でも演技続行中。ただいま、この間雑誌に載っていたオシャレカフェで休憩するそうで。


だから私も精一杯応える。

「ここってパフェが有名なんだって。セイ君、喜びそうだよね。コタローは甘いもの、好き?」


あれ?


突然不機嫌そうな顔をするコタローさん。


「他の男の話なんて、するなよ。」