デートだと連れて来られたのは、とある結婚式場。
なんだかわからない間に、コタローさんと私はスピード結婚するカップルという設定らしく、コタローさんは愛想よく式場スタッフと話していて。
「どちらのドレスが気になりますか、お嬢様。」
いつの間にか、ドレス試着になってるし。
けど、
齢ハタチを過ぎて、はじめて「お嬢様」なんて呼ばれた。
鏡を見れば、子どもの頃らくがき帳に描いたようなフリフリAラインピンクドレス。
でも、二の腕とのバランスを見て貧相になってると冷静にチェックするあたり、らくがき帳から脱してる。
周囲は皆、幸せそうに色々ドレスを選んでいる。結婚式場のウェディングフェアだもん。そりゃそうだよね。
ツン、と鼻の先に感覚がきそうとする時、コタローさんが口を開いた。
「あそこの黄色いドレスなんてどうかな?」
柔らかく笑うコタローさん。そんな顔、はじめて見た。
「お嬢様、どうぞ!」
黒いチェックのベストに黒スカートの式場の人まで、本当に真っ直ぐな笑顔で。
いたたまれなさに、okサインをだした
なんだかわからない間に、コタローさんと私はスピード結婚するカップルという設定らしく、コタローさんは愛想よく式場スタッフと話していて。
「どちらのドレスが気になりますか、お嬢様。」
いつの間にか、ドレス試着になってるし。
けど、
齢ハタチを過ぎて、はじめて「お嬢様」なんて呼ばれた。
鏡を見れば、子どもの頃らくがき帳に描いたようなフリフリAラインピンクドレス。
でも、二の腕とのバランスを見て貧相になってると冷静にチェックするあたり、らくがき帳から脱してる。
周囲は皆、幸せそうに色々ドレスを選んでいる。結婚式場のウェディングフェアだもん。そりゃそうだよね。
ツン、と鼻の先に感覚がきそうとする時、コタローさんが口を開いた。
「あそこの黄色いドレスなんてどうかな?」
柔らかく笑うコタローさん。そんな顔、はじめて見た。
「お嬢様、どうぞ!」
黒いチェックのベストに黒スカートの式場の人まで、本当に真っ直ぐな笑顔で。
いたたまれなさに、okサインをだした