「ホラ。」


箱を開ければ、ピンクに繊細な金が散りばめられた、姫ネイル。

これって、もしや―・・・。


「Ktサマの新作だよ。」


うぎゃああああああっ!


あの、あの、Ktの新作を、わたし如きがっ!

「お題その1.『ソレに相応しい服装や髪形を自分で考えて、着飾れ』だ。わかったな。」

「はい…。」

「声が小さいっ!」

「はいっ!喜んで考えさせていただきます!」

「じゃあ、とっとと買い物行ってこい!」

「買い物、ですか?」

「なんだぁ?まさかお前、あんな地味なクローゼットや化粧台でKtサマの新作ネイルを身に着けようとか、そんな大それたこと考えてないよな?」


「は、はい、全然考えておりません!」

隊長!と敬礼しそうになった勢い。さっきまでの低いテンションはどこへやら。

しかも、この言葉づかい。

まさか、もしかして、かなりのオレ様?


…前途不安、意気消沈、不安倍増…。