1つ手に取ると、
欲しいと思った。

「気に入りましたか?」

「ええ。」

私は店員さんと思って、
振り向くと、
ある人が立っていた。

「来栖さん・・・。」

「音さん。」

「どうして?」

「私のお店です。
今はオーナーになって
いますけどね。」

スタイリストの癖に、
ここのオーナーが、
来栖さんとは知らなかった。