死ねなかった私達のそれからは悲惨なもので。



お金も殆ど無くて、家財道具も持たなくて、知らない土地で生きてく事はハッキリ言って生半可なものじゃなかった。


心は日々擦れて、

これ以上壊れないと思った心が、さらに壊れていくのを、感じていた。


あちこち転々として


旦那のお父さん、お母さんの所に厄介になっては散々イヤミを言われたり、旦那が喧嘩して気まずくなったり。




私はそんな生活に疲れたんだろう。


1度捨てたはずのヤクザに戻りたがってる旦那の背中を押したんだ。


旦那がヤクザに戻ってからは私は水商売を始めた。


ヤクザなんてものは収入源があるんだか無いんだか分からないようなもの。


私が水商売で稼げという事だ。



嫌な客は沢山いたし、本気で殴りたくなるような客もいたし、

私にとっては未知の世界、未知の土地、未知の環境。



私が抱えていたストレスは、

もうどうしようもない所まで来ていて、いつ崩壊してもおかしくない事、何となく分かっていた。



『お前さぁ、俺が刑務所入ったらどうする?』


『はあ?そりゃ…嫌だけど仕方ないでしょ。待つよ…』


『お前もヤクザの女らしくなってきたじゃないか。』



そんな会話をしながら、私はこの先どうなるんだろう…


いつもそう思っていた。



そんな時、私の恋愛体質と、不安定だった情緒が、とんでもない事を引き起こす。




『お前浮気してるだろ。』



ある晩旦那に詰め寄られた。



私は嘘をつくのが下手な方ではなかったが、旦那は私の嘘を簡単に見抜く。



浮気。

やっぱり浮気なんだろうな。