なんで私がこんな事されなきゃならないの?



夜になる度に唇を噛み締めて耐え続けた。


あの男の行動はどんどんエスカレートしていく。


夜が来るのが怖くて堪らない私は、

鍵のない襖の入り口を、

どうやって閉ざそうかとそればかり考えて。


精一杯のちゃちなバリケードはいつもいつも簡単に崩されて。




助けて。

誰か助けて。



私の叫びは誰にも届かない。



こんな事、誰にも言えない。




…そんな日々が、4年続いて。




私の心は真っ黒に塗りつぶされて。



憎しみばかりが募る。



あんな男、死んでしまえ。


恨みの念だけで人を殺せるならば、
とっくに殺しているのに。




誰も救ってくれない。


お母さんには言えない。

気付いてもくれない。






ふたつの仮面を使い分けるあの男をどうしようもなく憎む。




生きてたって何の楽しみもない。


いつもどんな時も、


気持ち悪さと恐怖が私の体中に渦巻いて、


私の体は汚らわしいんだという思考が…




離れなくて。




私はいつからか

仮面をつけるようになった。





笑顔の仮面。


いつも明るい仮面。




嘘でも笑っていなければ、


気が狂ってしまいそうだったんだ。