ーーー絶対に、こんな風に心が痛くなる日が来ると思っていた。



つかささんを好きになりすぎてる自覚は、ある。

だから抑えなきゃとも思うのに。




「…私のバカ。」



10月に入り、私達は今日も逢って、


いつも優しいつかささんの態度は変わらず、


こんなに好きでいてくれてると、


自信を持っていいはずなのに、




渦巻く感情は身勝手なワガママ。



私が彼を好きなのと同様に好きでいて欲しい。

私がどれだけ好きか分かって欲しい。



…別に拗ねるような事ではないはず。


今日体を重ねた後、彼が言ったのだ。


「結子、シャワー浴びなくて良いの?」



それは彼にしてみれば何の悪意もない、むしろ…
好意から出てきたであろう言葉だったろうに。


私はカチンと来た。


「…浴びない。ボディソープの匂いが残ると困るから…」



「でも…」



じゃあざっとお湯で流すだけでも、と言いたげな口調にさらにイラつく。


「私はつかささんの名残をさっさと洗い流したくなんかないの。全然分かってないのね、私の気持ちなんか。」



そう言って、私は拗ねてしまって、別れ際に笑顔すら見せずに帰ってしまった。




今思えばなんて言い分だろうかと思う。そんな気持ち、言わない限り分かるはずもないのに。