「さて…結子を襲ってもいいですか?」

つかささんが、にこやかにそう言った。




一瞬にして私の頭は真っ白になる。



え?


襲う?


襲うって襲うって、

あの…


ちょ!
ちょっと待って!



「え?いや、あの、つかささ…」




車が海に面したホテルとおぼしき建物に…
いや間違いない、これってホテル。


どこへ向かっているのだろうとは思ってたけど…

まさかホテルとは。



駐車場に入ってしまった。


ハンドルを切りながら、つかささんはイタズラっ子のような目をして笑った。



「だって結子が好きだから。」




そりゃ確かに!

好きって気持ちが溢れすぎて、

つかささんに触れたい、抱きしめて欲しいとか恥ずかしすぎるメールはしたけれど!



いや、別に嫌なんじゃない、つかささんの事は好きで好きでたまらない。
そうなっても良いって思う。


でもでもでも!



心の準備が……




「だっていきなり!つかささん…もぉ…やだどうしよう…」



つかささんを正視出来ずにもごもごする私に、


またもや涼しい顔で笑う。



「ほら、降りるよ。」





助手席のドアを開けられ、力の抜けた私を引きずり出すかのように車から降ろす。


腕をガッチリ掴まれる。

その表情はいつもと何ら変わらない。

いや、嬉々として見えるのは気のせい?