「お疲れ様でしたぁ!お先でーす…」



会社を出る時間はその日によってまちまちだけど、夏の間は、1番暑い時間帯に帰る事になる。


今日も暑い。


外回りの仕事で体力は否応なしに削られ、ただでさえ体の弱い私は、夏場はクタクタに衰弱する。

「…疲れが取れない…」


日傘を持つのすら面倒くさいと思いながら、重い足を引き摺るようにバス停へ向かう。




バスに乗り込むと、程良く効いた冷房の風が私を包み込む。


気持ちいい…

天国だわ。




座席に座ると私は携帯を取り出し、登録したサイトの書き込みに目を通す。


…どれもこれもセックスの相手を探すものばかり。


少し読んだだけで嫌気がさして私は携帯をすぐに閉じて、目を瞑った。