「あぁ本当に充実した時間だったぁ~!!…疲れたけど。」



いつものホテルに入ってベッドに倒れ込んだ私。

脳内が異常な興奮に疲れすぎたのかもしれない。

横になると、一気に疲れが噴き出してくるような気がした。



「お風呂、お湯溜めようね。」



つかささんはお湯を張り始める。



ネクタイを緩めて取る仕草が好き。


腕をまくる仕草が好き。


何でこんなに全部全部好きなんだろう。




「…結子。」



目を閉じていた私に、声と同時につかささんのキスが舞い降りて来る。



優しい優しい、キス。




このキスがないと、私は生きていけない。




本気でそう思う。




髪を撫でられながら思う。



この手がないと生きていけないと。




「つかさ、さん…」




深くなるキスに苦しくなっても、


こんな時だけ意地悪な彼は、私の唇が逃げるのを許してはくれない。



彼の唇と舌が私を押さえ込む。



いつもそう。


彼は、その瞳で、その唇で、その舌で、その指先で、



…その心で。




私を縛り付けて離さない。




ねぇ。


そんなに縛り付けなくても、


もう十分すぎるくらい、私はあなたに縛られてる。


見えない鎖が、私の体に巻き付けられている。




決して外す事の出来ない、鍵のない鎖が。