なんか…

居心地がいいなぁって、思っていた。




普通は、

家族ですら、そうそう居心地がいいなんてない…

だって。


妙に気を使ったり、絶対的な嫌悪感があったり、なかなか相容れない部分があったり…

その人間関係は全部が全部スムーズではない。


だから他人である友人や、あまり知らない人なら尚更だと思う。



なのに、

この人…


レフィさんは、


いとも簡単に私の心に近付いてきた。

決して本音や本心を見せない、
『仮面』を貼り付けた、日々の生活の中演技を常にしている私の心に…


スッと近づいて来た。



「初めてなのに、こんなに気負わずに楽でいれるなんて。」



「僕には気を使わずにいていいんですよ。自然体がいいんだから。」



ああ。


どうしてこの人は、


こんなに優しい目をするの?




私が、

今まで誰かに接する時、こんなに優しい目をした事なんてあったのだろうか。





「さ、帰りましょうか。」


レフィさんが私を促す。

時間はあっという間に過ぎていた。