藩閥政治な私と、振りまわしたコーラをもつデンジャラス兄ちゃんは、繁華街のなかをうろついていた。
「あっ、そういえば、桜龍のやつらも来てるって」
『おぉ、知ってる』
「なんで知ってんだよ」
『だって総長、おんなじ部屋だし』
「マジで??!ちょっ、それやばいって!!何にもされてないよな?!」
『うん、幹部のやつに襲われかけたけど』
「はぁぁぁぁっ??!何そいつ、ぶっ殺す!!」
『ダメだよ、兄貴。私の仲間だし』
「何それ、どういう意味。なんかちょっとジェラシー!!」
『なっ、なんだよいきなり暴れんなッつの。私も桜龍入ったから、仲間なの』
「えぇ~、族に入っちゃたの?」
『うん。まずかった?』
「いや、仕事しづらくね?」
『まぁ、変装してるし大丈夫でしょ』
「そんなもんかね」
『世の中、妥協しなきゃやってけないよ』
桜龍に入ったことを報告したところで、細い路地から叫び声が聞こえた。
「誰かっ…」
「うるせぇ!!声だすんじゃねぇよ」
女の子の声と、低い男の声が聞こえてきた。
どうやら、女の子のピンチ??
『皇!!』
「はいはい…っと…??」
「やだっ、放してよっ!!」
「お前が悪いんだ!!他の男と付き合うだなんて…!!」
「飽きたのよっ、悪い??!」
「なっ、てめぇ・・・そんな口きいていいと思ってんのか!!」
「そういう俺様なとこが、大っ嫌いなの!!」
「俺の性格、全否定かよっ!」
『・・・皇、男になってこい!!』
「え~。
ヤダよ、あんなどろどろ昼ドラな言い合いに入るの」
『私だって嫌だっつの』
街の平和を守る赤アゲハ。
苦手なものは、昼ドラなどろどろゲンカ。
というわけで、私と皇は、その場から立ち去ったのだった。