そのクラッシュな父親の斜め前の席に腰を下ろす。
「なんでわざわざ斜め前??!」
『真正面から顔を見る勇気がないから』
「ひどいっ、そんなに怖い顔してないよっ??!」
『その喋り方止めてくれませんかね、40歳』
「40歳じゃない!!”約”40歳だ!!ギリだ、ギリ!!」
ギリってどっちのだ!!ってか、ギリアウトだろ!!
むしろ完璧アウト!!
「なぁ悠、聞いてくれ!!
俺は昨日から日課を作った!!」
『全く興味ない』
「まぁ聞いてよ。
”毎日ユウよりも早くこの席に着くこと”を日課にしようと思ったんだ!」
『おいこら、それもう既に毎朝遂行されてる!!
なんでよりによってそれを日課にしようとした、なんで今さらそんなこと考えた??!』
「この本に、”日課を決めるといいでしょう”って…」
父さんが持ってる本は、≪アルツハイマー、60歳≫。
『気が早いっ!!どんだけ心配性だ??!
しかも60歳用の買ってるじゃん!!』
「こないだ、ロブオが誕プレにくれた」
『誰だ、ロブオってぇぇぇぇ??!そんなのうちの組にいたか!?
ってか、ロブオ失礼だろ!!
誕プレにこんなもん送ってる人、初めてみたよ!!』
こんなおバカな父さんこと、【蓮条 遙】 -レンジョウハルカ-(35)は四捨五入したら約40歳の愛しのMyfather。
普段は、隣に立ちたくないほどうっとうしい。
でも仕事のときは、めちゃくちゃかっこいい!!