綾と一個ずつキーホルダーを眺めてると、春臣が一点を見つめてることに気付いた。
『春臣。何見てるんだ?』
「・・・男の子」
『はぁぁっ??!』
春臣が見る先は、何もない空間。
『はははは、はるもいさん!!』
「春臣です」
『春臣さん!!まさかそれはお化けさんですか??!』
「そういうことになりますね、ユウさん」
「なにごっこだお前ら」
『はい来た~、お化け来ました~。今回の遠足の3大イベントのうちのひとつ来ました~』
「後2つは何なの?」
『ジモッティと綾の兄ちゃん』
それ以外に、なんにもありませんよ。
だってお前らご飯作れねぇから共同作業できねぇし?
風呂もろくに焚けねぇし?
部屋もなんでか一人部屋だし?
「お~い、風呂してきたぞ~!」
「何事もなかったぞぉ」
『残念ながら、この部屋に航くんがおられるそうです』
「「マジで??!」」
「さっきの俺らの集中力、返せよ!!」
『恐怖と闘った精魂でしょうが』
自然と春臣の視線の先から離れる私たち。
「ユウ、頑張ってお帰りいただいてっ」
『そういう千歳がやれよ!!私に説得なんて無理だ!!』
「ちょっ、春臣こっちみてねぇ??!」
「気のせい気のせい・・・まさか俺らの後ろに??!」
『いやぁぁぁぁっ!!絶対振り向けないじゃん、ばか翼!』
「パニくりすぎでしょ」
「あっはっは、面白いなぁ」
「4バカだな、4バカ」