え、懐中電灯?
いやいや、まさかね~。
普通、家ん中懐中電灯いらないもんね~
『ははっ、希ったら冗談きついわぁ。
懐中電灯?何ソレ、水筒入れですか?』
「うぅん、行く先を照らす懐中電灯」
『あれだろ、小さくなるライトだろ』
「あんな非科学的なもん、俺が持ってるわけないじゃん。あそこに使うの」
あそこ、といいながら指さすのは、廊下の奥の真っ暗な空間。
『いやだぁぁあぁっ!!
何アソコ、真っ暗なんですけど?!
なんで家ん中にブラックホールあるんですか?!』
「電気切れちゃった」
『可愛くねぇよ、そんな言い方したって!!
あんなとこにある部屋に一人で入れってか?!
どんな罰ゲームだよ、旅行先でも罰ゲームかよ!!』
「あ、春臣が呼んでる。俺、行かなきゃ」
『待てぇぇぇっ!!話し終わってねぇだろ!!』
希はそそくさと春臣との部屋に入って行ってしまった。
しかも他の奴らは、希に抗議している間に部屋入っちゃってるし!!
『・・・なんか私、めっちゃかわいそうじゃね?』