翼は、同室になった千歳が担いで、その後ろに春臣、桜李、希と続く。
珍しく、綾が先頭を切っている。
そしてその隣を歩く私。
『家族旅行・・・?』
「なんの話してんだ」
『いやぁ、大所帯だなって』
「7人いるからな」
『しかも、珍しく綾が前に立ってるし?』
「眠いんだ。すこぶる」
『すこぶるって言う高校生、初めて見たわ』
眠いと主張する綾をみると、確かに眠そうだ。
いつしかの半目綾が再来してる。
『でもさ、桜李と一緒の部屋だから、なかなか寝れないかもよ?』
「殴って寝させる」
『めちゃくちゃだな、おぃっ!!桜李~っ寝るとき静かにしてないと、明日の朝まで強制ぐっすりだぞ!!』
え、もう一回言って!?って声が聞こえたけど、放っといた。
不安になりながら眠りにつけばいいわっ!!
「え~と、ここが俺と春臣の部屋。
でその隣が桜李と綾、向かいが千歳と翼ね」
「「「は~い」」」
眠い綾は、返事もせずに部屋に入る。
あれ?あの部屋、適当に私の荷物をいれた部屋じゃん。
『あっ、放り出された!!』
しかもチャック開いてたみたいで、中身出てきたし。
最悪だな、あの男。
まぁ荷物は後で拾うとしよう。
そんなことより・・・
『せんせ~い』
「何か質問でも?」
『このフロア、3部屋しかないんですけど~。
蓮条さんの部屋、どこですかね~?』
手前側に3部屋見える。
けど、もう一部屋が見当たらない。
廊下の奥には、真っ暗な空間が広がってるだけ。
「あぁ忘れてた、はいこれ持って行っといで」
手渡されたのは懐中電灯。
真っ暗な闇を照らし、行く先も照らす懐中電灯。