『あわわわっ、びしょ濡れさんを高級ソファに置くなって!!』
「大丈夫だよ、翼に弁償してもらうから」
ぐったりと寝ている翼の顔を覗き込む春臣。
脈測ったりしてるのは、気のせい気のせい。
「う~ん、問題はないと思うんだけど・・・」
『こんの人騒がせ屋さん!!寝るときはベッドでって、何度言ったらわかるのかしら、この子は!!』
「言われたことねぇと思うぞ」
「・・・問題ないと言えば問題ないんだけど」
『「「けど?」」』
「航太君の霊に遭遇した可能性が。」
『・・・何か問題でも?』
「いや、特にないけど」
『そ、そうか・・・』
ちょっと焦った。うん、焦った!
私も遭遇してるからねっ!!
「なら着替えさせて、適当に部屋に放り込んどけば大丈夫でしょ」
「ユウ、翼の荷物もってこい」
『はいは~い。これかぁ?』
「それそれ」
桜李と千歳は、翼の荷物を漁り、下着と着替えを取り出した。
「千歳も着替えてこいよ?」
『ってか、なんで濡れてんの』
「あ、そうだった。
翼の奴、なかなか戻ってこなかったじゃん?
だから探しに行ったら翼がよぉ、
バラ風呂に浮いてたもんだから、焦って湯船ん中入っちまった」
『バラ風呂・・・?』
「浮いてたって・・・」
「はい着替え終了~!!」
「髪は放っといてもいいだろ」
『ダメぇぇっ!!自然乾燥ははげるんだぞ?!』
「そっか・・・じゃぁ、放っとこうか」
『なんであえて放っとくの?!ハゲさせる気か?!』
「うん」
『あ、ならしょうがないや』
つくづく扱いが雑ですね、翼君。