「点検をさせたとき、バラがあったなんて報告、受けてないんだけど」
「それ、いつの話?」
「一昨日」
『昨日入って誰かが置いていったのかもよ?』
「鍵はちゃんと閉まってたし、セキュリティも万全なのに、誰が置いていけるのさ」
『え~っと・・・もしかして希、バラはユウレイさんのせいって言いたいわけ?』
「それ以外に考えられないでしょ。あんまし、非科学的なことは信じないけどね」
「バラねぇ・・・」
『なぁ春臣。幽霊ってことは、死んでるんだよな?』
「まぁ、大体は」
『じゃぁさ、この家にいるのって、なんでだ?』
「う~ん・・・何か原因があると思うんだけど」
「ちょっと調べてみるか」
「綾、起きたんだ」
「おぅ。寝てんのに、馬鹿がうるせぇからな」
『馬鹿だって、桜李どんまいっ!!』
「明らかお前のことだろ?!」
「はいは~いっ!!」
『はい、千歳君っ!』
「分担することをお勧めしまぁす!!」
『えっ、一人で行動するのは嫌でありまぁす!!』
「なんだよ、怖いのか?」
『一人一部屋ずつゆっくり時間かけて探すより、多数で何部屋も隈なく探すほうが、効率がいいと言ってるんですよ、桜李君』
というわけで、適当に分かれて、各寝室、書斎、キッチンなどを調査することにした。
「どうでもいいけど、まだ入学から一週間も経ってねぇよな」
『遠足先で幽霊騒動とか、濃い人生送れそう(笑)』
「濃すぎでしょ、この小説」
ただ今、書斎を綾と希と私で探索中。