『だ、だだだだ誰?!ってか迷子?!』
動揺しながらも、その男の子に話しかける。
が、全く反応せず、ただこちらをじっと見ているだけ。
『え~っと、反応してくれないと困る。
え、どうしよう。晩御飯一緒に食べる?
これじゃ、フレンドリーすぎか。
え~・・・名前は?』
「・・・航太」
『コウタ君?迷子ですか?』
「・・・・・・そうともいう」
なにこの子、見かけの割には大人びた喋り方!!
そうともいう、だって!!私そんな言葉つかったことない!!
『お家はどこですか~?』
「・・・・・・ここ」
『へ?』
どゆこと?って聞こうとしたのと同時に、キッチンのドアがバンッと開いた。
驚いて視線を向けると、面倒くさそうに立つ綾。
「何で俺がてめぇの手伝いしなきゃいけねんだよ。
ってか、独り言でけぇし」
『りょ、綾さん。迷子の子がここにいるんですけど』
「は?誰もいねぇみたいだけど」
『ほら、ここに・・・って、あれ?』
綾から視線を元に戻してみると、航太君はいなかった。
『・・・・・・何事?』