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『翼、コショウ取って』


「はい」


『翼、これはコショウじゃなくて塩だよ』


「え、マジで?ゴメン」


『ゴメンはいいから、さっさと取れよ』


「こ、これだなっ」


『はい残念、それコンソメ~。耳と目、故障してるんじゃないっすか?』


「うまいっ!」


『お~い、誰かこのバカ連れてって~。邪魔』


「ひでぇよユウっ!!手伝えって言ったくせに!!」


『ここまで使えねぇとは思わなかったんだよ』


「鬼畜ぅぅぅっ!!」



泣きながらキッチンから出て行った翼。

ジミー翼のために出番作ってやったのに、調味料わからんってどうなのよ。



『あの子、何やらせてもダメな気がする』



ケンカと金髪はピカ1なのになぁ。

万年地味男だね、ありゃ。

出番、どんどん減っていって、気が付いたら転校してたパターンだね。



『あ、お皿出してなかったや』



食器棚からお皿を人数分出してると、水の流れる音がシンクのほうから聞こえてきた。



『あれ、水だしっぱだったっけ?』



そう思って振り向くと、



『ふおぉおっ?!』



小さな男の子が、真後ろに立っていた。