『怖えぇぇぇぇえ!!!何あれ、バラばっか!!』


「蒼いバラっつったら、不可能の代名詞だな」


『なにぃぃっ?!ってことは、希の仕業だな!!』


「何を根拠に言ってんだ」


『”君は何をしてもムリなんだよ、成功するなんて不可能なんだよ”

っていう希からのメッセージ』


「お前、希をなんだと思ってんだ」


『毒舌サディスティック王子』


「まぁ間違っちゃいねぇな」






―――ピピピピピピッ



『うおぅっ!!』


「あ、電話」


『電話の音じゃなくね?!むしろアラームじゃね?!』


「ピッ 俺」


『俺オレ詐欺かっ!!』


「おぅ おぅ そうか じゃぁな」


『簡潔な電話!!相槌ばっかで内容が全く予想できない!』


電話を切った綾は、こちらを見もせず、スタスタと部屋から出て行ってしまった。





『おいおいおいおいっ!!

無視ですかコノヤロー。どこ行くんですか、っていうかバラが怖いんで置いてかないでくださいコノヤロー!!』


バラはそのまま、荷物もそのままに私は部屋をあとにした。