『いやしかし、綺麗だね~』


「埃だらけだぞ?」


『お前はどこぞの継母様か。

窓の縁に指を滑らせ、いちゃもんつけてくる継母か!!』


「お前の頭ん中、一回見てみたいな」


『やっだぁ~、いくら私が天才だからって頭覗くとか変態~』


「黙れ」


『すんませんっした』




吹き抜けの階段を上り、2階へと向かう2人。




『あ、そういやさ。赤いバラが置いてあったんだよ』


「寝言は寝て言え。そのまま起きんな」


『相変わらずの毒舌っぷり!!たまには私の話、聞いてください』


「だってお前、突然バラがあったんだ、なんて言われたら頭大丈夫か?って聞くだろ」


『もっとリアクション考えてください。

そんで、嘘じゃないんスよ。台所にも、お風呂にもバラが・・・』


「あぁ~部屋が4つしかねぇや。一人で部屋使えんの一人じゃねぇか」


『うん、もう何も言わない、私めげないっ!!』




2階には、なんだか豪華な客室が4つ並んでいた。




「俺が一人部屋行く」


『お前はバカかっ!!そこはレディに譲れよ!!』


「は?てめぇのどこがレディだ」


『オシトヤカでウルワシイをとめじゃないか』


「片仮名ばっかで、怪しすぎ」


『よしっ、分かった!!皆が帰ってきてから決めよう!

今は荷物を置くだけにしよう!』


「チッ めんどくせぇ」


『こんなときだけめんどくさがらないでください』




綾が一番手前にあるドアを開いた。

私もその後に続く。