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乗車して2時間。

車内はぐったりと頭を抱える私、寝てる綾、トランプしてるバカ3人と、パソコンをいじる希、無心な春臣。


森のようなところを走っていた車は、ゆっくりとスピードを落とし、停車した。



・・・運転手さん、すげぇ。

なに今の滑らかさ、ノブさんに運転の仕方教えてほしい。

あの人、急ブレーキ大好き人間だから。




「希様、到着いたしました」


「ん。みんな荷物持って降りて。早くしないと蹴り落とすよ~」


((((笑えない!!))))




寝ぼける綾を引きづって車をおり、翼たちもそれに続く。


運転手さんは軽く挨拶をして、もと来た道を戻って行ってしまった。





『・・・一緒にいればいいのに』



そしたら、往復4時間分の削減!ガソリンも節約!!



「彼は渡瀬家一の運転手だから、仕事以外は家にいなきゃいけないんだよ」


『希んとこの運転手さんだったのか』


「そ。じゃ、行こうか。それ、邪魔だったら置いて行ってもいいと思う」


『後が怖いから、連れてくよ』




それ(綾)を担いで希の後を追う。


160cmの女が187cmの男を担ぐ図。

・・・レアもの~。








車を降りたところから少し歩くと、青い湖畔が見えてきた。



『きっれ~!!』

「ゔっ!!」

『あ、やべ』


感動のあまり、綾を落としてしまった。





「ほっとけほっとけ(笑)」


「ユウ、行くぞ~」


『そうだな、ほっといても大丈夫そうだな!!』



落ちた時に打ったお腹が痛いのか、うずくまる綾。

それを気遣う春臣には申し訳ないが、放って行かせてもらいます。


だって湖畔が私を呼んでるんだもの!!!