『ち、千歳、もういいや。

デジカメさんに、安らかな眠りを与えてあげてください』


「え、壊せってこと?」


『旅先で土葬しとくよ』


「ゴミの不法廃棄になるんじゃない?」


「プチ夢の島だな」



デジカメさんを鞄にしまう。

すると、次は春臣が鞄を漁りだした。



『どうした、春臣』


「いや、僕もカメラ持ってるからそれでいいかな、と」


『おぉっ!貸して貸して~!』


「あった。はい、これ」



カメラを取り出して、私に差し出してくれる春臣。

うん、すっげぇいい奴。

優しくて、すっげぇいい奴なんだけど・・・



『ぽ、ポラロイド・・・・・』



遠足に持ってくるもんじゃないっしょ。



「おぉっ!!なんかアンティーク!!」


「うん。僕の祖父が仕事のときに使ったんだ」


『お前のじいさん、カメラマンなのか?』


「うぅん、霊媒師」



HA?



『ごめん、もっかい言って』


「プロの霊媒師」


『霊媒師って・・・お化けのやつ?』


「うん」





・・・うそぉん。