千歳にデジカメを手渡す。

電源ボタンをカチカチ押すけど、やっぱりつかない。



「ユウちゃんってば、握力強すぎて壊しちゃったんじゃね?」



あちこちいじくりながら、くすくす笑う千歳。


『握力?!朝から今まで鞄に入れてたのに?!』


「デジカメさん、激しすぎた鞄からの脱出劇」



翼が画面を覗き込みながら笑う。



『うそぉ~・・・』



ほんとに握力で壊れちまったのかぃ、デジカメさん。



「うんともすんとも言わねぇ」


「もっかい押してみりゃいいじゃん」



桜李が電源ボタンを押した。



ピカッ!!


「・・・っ」

『うわ、まぶし!!』

「目が、目がぁぁぁ!!」


「翼、それあれだろ。ラピュタの大佐の真似だろ」



突然光ったフラッシュのせいで、私・綾・翼が犠牲になりました。



「うぅぅぅ・・・」


『桜李ゴラぁぁぁ!!何シャッター押してくれとんじゃぁ!!』


「え、電源ボタン押したはずなんだけどなぁ」


「これだろ?合ってるぞ」


「それより電源入ってないよ、これ」




電源入ってないのにフラッシュ?!

何それ、デジカメさんからの警告?!



”俺はもう限界なんだよ

これ以上強制労働させてみろ、フラッシュビームを食らわせてやるからな!”


みたいな?!