希、千歳、私が喋っている隣では、綾が爆睡。
その後ろで、春臣が本読んでる。
横には、ポッキーをガジガジ食べてる桜李と、青白い顔の翼。
『おぃ翼、大丈夫か?』
「へ、平気だよ・・・」
「地味キャラの上に車酔いとか、かっこ悪すぎだろ翼」
『てめぇはそんな翼のために、ポッキーを片付けてあげろ。
匂いとかも、影響するらしいからな』
「無理。食うか?」
『あ、食べる~』
「ユウ、言ってることとやってることめちゃくちゃ・・・」
『翼、そこにビニール袋あるよ、よかったね』
「吐けと?!」
『窓ぜんか~い』
「「さぶっ!!」」
換気したら、体調もよくなるくない?
と思って、全開にしたバスの窓。
入ってくる風は、春臣の本のページをバサバサと煽り、バス内の他のクラスメイト達も
「「「「さぶっ!!」」」」
と腕をさすり、挙句の果てに起こしてはならないものの眠りを、覚まさせてしまった。
「さみぃんだよ、何してんだてめぇ、絞め殺すぞ」
大魔王、降臨。
あれだよ、映像でお見せしたいほどの恐ろしい般若。
言葉に表せねぇけど、しいて言うなら眉間の皺と眼光の恐ろしさ。
『き、キレイな顔が台無しだよ?』
「閉めろっつってんだよ、このボケナスビ」
ボケナスビ??!!