結局、空欄はそのままにしといたほうがいい、ということで名前だけ書いておいた。
「春臣、行先どこだった?」
「ん」
持って帰ってきた小さな紙には、行先が書いてあった。
『・・・湖畔?』
「へぇ~。結構いいとこ引いてきたじゃねぇか」
「ありがと」
『これ、場所指定してないのか?』
「んぁ?湖畔って書いてあるだろ」
『どこの湖畔とか・・・』
「湖畔ならどこでもいい」
「手配は希がしてくれるからなッ」
『学校がするんじゃないんだ…つくづく変な学校』
「庶民にゃ分からんこともある」
ほんとそれ思う。とにかく、行先とか行く方法の手配は、希に任せていいらしいのでお願いしといた。
遠足出発まであと2日。
『あぁっ!!!』
「なんだよ、快感に喘ぐような声出しやがって」
『なにその例え、最悪なんですけど』
親父に連絡すんの、忘れてた!!