「はぁ~笑った。うん、久しぶりに笑った」
『あんまり笑わねぇって聞いたけど』
「そうだね、あんまりね」
『あんまし笑わねぇとか、人生損してんぞ。
笑ってなんぼじゃ、なぁ翼!』
「ごめん、今話しかけないで・・・」
『思った以上にダメージがでかかったか』
「蓮条はずっと笑ってるの?」
『おぃこら、人のこと変人みたいに言うな。真面目な顔してる時もあるぞ』
「嘘つけ、変顔が趣味のくせに」
『俺にとって初対面の人に、なんて嘘をっ!!』
「マジ?」
『お前が返事すんのかぃっ!!黙ってへこんでろや、ジミー!!』
「何それ、地味だからジミー?!」
『調子乗ってっと、クリケットって呼ぶぞ』
「星に向かって歌ってるコオロギさんじゃんそれ!!」
『コオロギとは思えない、杖さばき』
「確かに!!ってか、あんましコオロギ話盛り上がらない!!」
『春臣。アイツは変人でジミーだけど、俺はいたって普通だからな』
「蓮条、僕思うんだけどさ。
普通じゃない人は、小説の主人公になったりしないと思うよ?」
『・・・うわぁぁぁっ!!綾、主人公役あげる!!』
「いらねぇ、喋んな、黙れ、シャラップ」
『ひでぇっ!!』
「っつーか、小説のタイトル変わるから」
「確かに、平々凡々な主人公、面白くもなんともないからね」
「そうそう。喧嘩に遭遇したら参加するとか、平凡人にはできねぇから」
『うぅっ!!』
つまり、生まれから否定しなければ平凡人にはなれないと!!