「バカだなぁ、二人とも。なんでそんなにポジティブに考えるの?」
『ポジティブって・・・』
自分の言葉に傷つくようなやつらが、ポジティブシンキングしてるとは思えませんが!!
「こういうときは、ネガティブに考えなきゃ」
「ネガティブ?」
「そ。よく見て、春臣のあの無表情。
いつも以上に”無”を表してると思わない?」
「た、確かに・・・いつもはもうちょっと表情がある無表情だ」
『お前、言ってること矛盾してんぞ。なんだ表情ある無表情って』
「パラドックスだね」
『逆説?なんでわざわざ英語で言うのか意味分からんけど』
「でさ、なんであんなにも”無”なのかと言うと、翼が声をかけたからだ」
「なっ、なるほど!!」
『分かったの?!俺全然意味不明なんだけど!!』
「つまり、春臣にとって翼は・・・」
「「「"無"の存在としてしか扱われてない」」」
『・・・こんだけ引っ張っといて、ただの悪口かぃ!!』
「ひでぇよ春臣。確かに地味だけどさ?無の扱いはひどいよ・・・」
『翼ぁぁ!!し、しっかりしろ!!きっと春臣はそんなこと思ってな・・・』
「違うよ、3人とも」
『ほらっ、違うって・・・』
「虚無の存在だよ」
『なんか余計な言葉くっついたぁぁ!!』
「そんな・・・俺が虚像の虚に、無意味の無だなんて…」
『ネガティブシンキングぅぅぅぅ!!
でも確かに、この漢字の組み合わせはマイナスにしか働かねぇ!!』
この男、何気に希依りだ!!
手ごわい!!